フラッシュライト比較テスト SUREFIRE[E2DL-BK]/OLIGHT[M20 premium R2]

以前金猫さんから申し出のあったフラッシュライトの比較を行いました。
まずはM20をお貸し頂いた金猫さんに感謝します。

比較するフラッシュライト

SUREFIRE [E2DL-BK] メーカー仕様値120ルーメン(LED)写真左
OLIGHT [M20 premium R2] メーカー仕様値250ルーメン(LED)写真右

※お断わり

こういった明暗の差が激しい被写体はカメラのいろいろな機能が働くため、事実ありのままの様子を再現するのはとても難しいです。もっと詳しく説明すると、明暗の差が激しいものを見るとき、いろいろと最適に見えるように自動補正をかけるのは人の目であり、カメラはどちらかというとありのままを撮影していると言ったほうが正確かもしれません。いずれにしてもあまりかけ離れても問題なので、カメラの様々な設定により写真と実際に差が出るのをできるだけ抑え、見たままに近い写真となるように努力はしましたのでご理解下さい。
では比較写真をご覧下さい。

まずは本体外観の比較です。E2DL-BKはM20に比べると細身になっていますが全体の長さはさほど変わりません。


正面から見るとリフレクター(反射板)の違いがわかります。E2DL-BKは鏡のようになめらかな処理ですが、M20は凹凸処理が施されています。私感ですが、M-20の明るい周辺光は凹凸処理によるものと考えられます。

まずはテーブルの上での照射比較。E2DL-BKは太めの照射光がやや広がりながら伸び、周辺光はほとんどありません。M-20は中心の光線はほとんど広がりませんが、くっきりと周辺光が出ています。光線全体は両者とも良くコントロールされている印象です。

そのままアングルを変え、照らし出したテーブルの先の壁を撮影。スポットの範囲はE2DL-BKのほうが広く、スポット部の明るさ自体は写真ではわかりにくいのですが、若干E2DLのほうが明るいような、白っぽいような印象を受けました。周辺光はM-20はきれいに出ていますのでスポット部以外の広範囲の確認には使いやすそうです。

KSP倉庫内の特設暗室(真っ暗)にて、まずは汚れた白壁を約2mの距離から照射。ライト2本を片手に持ち頭の上に構え、右手にカメラといった感じです。左がE2DL-BKで右がM-20です。ここでも見て取れるのはスポット範囲と周辺光の違いです。M-20はきれいに周辺光が出ています、対してE2DL-BKには周辺光がほとんどない状態です。

では同じ暗室で約5m先の壁とガラクタを照射。M-20の周辺光は広く均一で、スポット部以外の広い範囲を十分に確認できます。天井の左スミに注目。M-20の周辺光の端にあたる部分の円弧がみられます。E2DL-BKのスポットはM-20より大きく、スポット周囲の明るさはほとんどがM-20の周辺光によるものです。ここでも明るさとしてはE2DL-BKのほうがわずかに明るいというか、白っぽい印象を受けました。

そのまま汚れたコンクリート床を照射。左がE2DL-BK、右がM-20。手前が私の足とサンダルです。スポットの大きさが比較出来、M-20の周辺光の様子もわかります。

考察・感想

まずは周辺光の差を強く感じました。M-20の周辺光はメーカーの意図したものだと思いますが、これが普段使いにはとても役に立つのではないかと思います。私はE2DL-BKを愛用していますので、たまにE2DL-BKで暗闇の夜道を歩いたりしますが、スポット部以外はほとんど見えず不便を感じる事もあります。これがM-20だと随分違いそうです。逆にE2DL-BKの周辺光をほとんど押さえつつ光線をスポットに集中させている点もメーカーの意図するところでしょう。E2DLのスポットはM-20と比較すると随分大きな印象を受けますが、それでもかなり範囲の狭いスポットです。SUREFIREの6Pなどに比べるとかなり絞った局部集中的なスポットです。M-20のスポットはそれに輪をかけて絞ってあるようなイメージなので、スポット範囲を狭くする事で周辺光にとられた分の光を補っているのか、それともメーカーがフラッシュライトのスポットはこの大きさが理想だとしているのかでしょう。ちなみに2mほどの距離であればM-20のスポットはとても狭く、点灯した瞬間にスポット光を相手の目に当てるには十分に練習をしたほうが良いと思います。今回の比較は120ルーメンのE2DL-BK(SUREFIRE)と250ルーメンのM-20(OLIGHT)で、テスト前にはいくらなんでも250ルーメンが圧倒的に明るいと予想しただけに意外な結果でした。ただ、OLIGHTもSUREFIREも互いにウソや過大表示(過小表示)をしているのではなく、ライト発光のどの段階でどの条件をもってして出ているルーメンを仕様値に使うかの違いかと思います。この結果からも、ライト仕様書表記のルーメンだけで別メーカー同士の明るさ比較は、数字だけではなかなか難しいものだと思いました。

最後に

金猫様には大切なライトをお貸し下さっただけでなく、返送用の封筒からおまけのお菓子まで頂き、さらには電池も使い切って構いませんというお心遣い大変嬉しく感謝致します。ありがとうございました。